裕翔くんはジャニーズっぽくないらしい

月9ドラマ『デート』、視聴率はすごく高いというわけでもないですが、そこそこな数字で推移してますし、少なくともネット上の評判は良い感じがします。うれしいことです。
で、ドラマの感想などをぼちぼち眺めてると、よく見る表現があります。裕翔くんを「ジャニーズっぽくない」と評する意見です。特にジャニーズファンではないドラマ好き、みたいな人がこのような表現を用いるのをたびたび見かけました。
そしてオリコンでこんな記事まで。
月9ドラマで見せたジャニーズっぽくない?中島裕翔の“馴染み”力 | ORICON STYLE

ジャニーズファンならHey! Say! JUMPのメンバーとしておなじみだが、「この人がジャニーズ?」と意外に思った人もいるのではないだろうか。

ドラマのなかで見せる自然さからか、ジャニーズのタレントであると意識させない独特の馴染み方をしているように感じさせる。

どうやら俳優としての裕翔くんは「ジャニーズっぽくない」らしいです。
わたしに言わせると
は???????
なんですけど。
まったくピンときません。だってわたしの知ってる裕翔くんはどこからどう見てもキラキラしたアイドルです。わたしにとっては裕翔くんこそがTHEジャニーズです。ひとりだけ美しさのあまり発光してるじゃん?キラキラとした星屑が周りに飛び散っているのが見えるじゃん?まさにアイドじゃん??と、真顔で思います。そのキラキラはドラマの中でも消えはしません。華があって清潔感のある美貌はドラマの中でも光っています。だから「ジャニーズっぽくない」と言われると、ただただ不思議なかんじがします。そういうふうに見える人もいるのかと驚きです。
ただ、この場合ジャニーズっぽくないは褒める文脈で言われているんですよね。悪いことでは決してない。キラキラと発光していても、ドラマの世界にはしっくりなじんでいて、そのしっくり加減が「ジャニーズっぽくない」という評価に繋がってるようです。ジャニーズじゃない男前俳優の人が演じてきたようないわゆる当て馬役を演じていて、それに違和感がないというのも大きいと思います。それらは俳優として高い評価とも言えます。なので、そういう言い方をされると、手放しに嬉しいとは思わないけれど、褒めてるんだろうなと思うとまあ悪くはないのかなあとぼんやりと思います。


それにしても、ジャニーズのタレントはたくさんいますし、主演じゃない役をやる人も、アイドルらしからぬ冴えない役をやる人もいくらもいたと思うのですが、「ジャニーズっぽくない」と言われてるのはあまり見ないような気がします(知らないだけだったらすみません)というか、そういう役だとそもそも話題にのぼることも少ないです。それが「ジャニーズっぽくない」と言って人々の話題にのぼるということは、ドラマを見てる人に鮮烈な印象を与えているということに他なりません。
印象に残る役だけど悪目立ちしない。
要するに、
演技うまい
ってことじゃないですか?
そう思うと、本当に素晴らしいことだなと思います。


しかし、「ジャニーズっぽくない」がある種褒め言葉として使われるところに「ジャニーズっぽい」ことに対する世間の風当たりの強さがわかります。嵐も褒め言葉として「ジャニーズっぽくない」と言われること多かったものですが。ジャニーズっぽいのはそんなに悪いことなんでしょうか。おそらく悪いことなんでしょうね、そういう言葉を使う人たちにとっては。「ジャニーズっぽい」は、たぶん違和感なんだと思います。強烈な華やかさであはるけれど、ドラマ自体の雰囲気を壊すものであったり、幼稚な印象を与えたりするものでもあるのでしょう。その先入観の壁はきっととても高い。
わたしは長くジャニーズが好きなので、ジャニーズに対するジャニーズファン以外の人が持つ固定観念がどのようなものか、ちょっと想像がつきにくくなってるとこはあります。でも人それぞれに強いイメージがあって、偏見も強固にあるんだろうと思います。チャラいと思われることも、お芝居に本気じゃないと見られることもあるんだと思います。13年のフィルムフェスタで、岡田准一くんが

基本的にジャニーズ事務所にいると、普通の役者さんの10倍20倍頑張らないと認めてもらえないと俺は思ってるから。やっぱ特殊な目線もついて回るし、最初から色眼鏡で見ると決めた人はそういうふうに見ちゃうから。(フィルフェスパンフより)

と語っていました。ジャニーズであることの枷ってとても大きいものなのでしょう。


ジャニーズであること、アイドルであることのしがらみはきっととても多いと思います。でも、裕翔くんならそれを軽やかに越えてみせてくれる。向かってくるものに対し「アイドルがどんなもんか見せてやるよ!」って反骨心むき出しで挑んでいくのもひとつのアプローチですが(それはそれで素晴らしい)、裕翔くんはまた全然違う、ふわりと軽やかなやり方で壁を越えていってくれます。裕翔くんの独特のしなやかさです。
「ジャニーズっぽくない」という切り口で耳目を集めるのも、そのしなやかさのひとつの表れだと思います。今までにないアプローチで軽やかにステップアップしていく裕翔くんかっこいい。