デート6話はとてもいい話であった

月9ドラマ『デート〜恋とはどんなものかしら〜』、6話もとてもよかった!!!!!
先週まさかのどんでん返しのキスシーンで終わり「うあああああああ、どうなるんだよおおおおおお」と動揺しながら待っていたら、そこは「ハッピーニューイヤー」というだけでサクッと終わり、「お、おう…」とじゃっかん肩透かしを覚えて始まりましたが、でもそこからはまた怒涛の展開だった。
というわけで今回は藪下家新年会編。
まず、この新年会を全員(巧さん以外)着物着用でしようと思った人が天才!!!絵的に華やかだし、そこまで気合い入れるという藪下家の人々の真面目なズレっぷりがそれだけで伝わる。杏ちゃんの着物すごくきれい。
そして、そこに着物着て突撃する鷲尾くんですよ!!!!!!
まーーーーー、紺のお着物がなんてよくお似合いになるのかしら!!!!!!!外着のときのグレーのマフラーもまた最高によくお似合い!!!!!!!!爽やかが和服を着て歩いてるとこうなるんですね!!!!!!!爽やかすぎてむしろ胡散臭い!!!!!
しかも、登場のタイミングが絶妙。伯父さんの愛ヘビ太郎くんが映ったとことでピンポーンですよ。この切り替わり方最高!!!個人的に「ヘビと裕翔くん」という組み合わせが大好きなのです、わたし。実際に持っていたのはむかし雑誌の裏話レポみたいなものでちょろっとあっただけですが、絶対耽美な組み合わせだわいつか見てみたいと思っていたのですよ。裕翔くんミーツ蛇という図がまさか月9ドラマで達成されるとは!!!!興奮しました。
実際は裕翔くんはヘビは全然お好きなんですけど、鷲尾くんはどうやらそうじゃないらしく。伯父さんに気に入られようとして無理して触って「飼いたいです」とか思ってもないこと言ってるかんじでしたね。恋のためにがんばる鷲尾くんいじらしい!そして本当はお好きだけど好きじゃない感が出てる裕翔くんなんて演技がお上手なの!!と、興奮ポイント満載。
今回はとにかく依子の家族に気にられるために必死な鷲尾くんが健気でした。そのために和服で突撃して、伯父さんに気を使い、お父さんの功績を褒め、百人一首に準備万端で臨み、お雑煮をパパっと作り、ヘビの一大事にもテキパキと対応。健気!そしてなんてできる子!さすが完全無欠の好青年。伯母さんも「誰がどう見ても鷲尾くんじゃない」ってそりゃ言うよ。そりゃ言うよ!!でも、伯母さんにプッシュされるも「今言われるまで(鷲尾と付き合うと考えたことは)一度もなかった」とばっさりいかれる鷲尾くん。不憫すぎる!!!!
まじで!なんで、鷲尾くんにぐらっとしないのさ!!!と思うけど、それがそこまで不自然じゃないのがこのドラマのすごいところだなーとしみじみと思った回でもあります。
鷲尾くんの完璧さが「抜け目のなさ」「小器用さ」みたいにちょっと映るの。それは主人公である巧の、だめだめなんだけどどこか放っておけない魅力というのがちゃんと描かれているから。長谷川さんが演じるからこそなんでしょうけど、なんか憎めないやつですよね。そことの対比で見ると鷲尾くんがちょっとつまらない感じに映る。そして鷲尾に「男(もしくは結婚相手)としての魅力を感じない」ところが依子の変人っぷりを描く上で重要なファクターでもある。その辺りのバランスがいいから、無理やりな設定なのに妙な説得力がある。
そして、太郎を茹でちゃう巧さん。ここはもう腹抱えて笑いました。なんというちゃんとしたドタバタコメディ。心肺蘇生て…!バカバカしいのに寒くならない緻密な喜劇。「ヘビで救急車は来ません。動物病院へ行きましょう」って、こんな状況にも冷静に対応できちゃう鷲尾くんかっこよすぎですし!!!!!でも動物病院行ったがために、この後巧と依子の距離が縮まってしまう!!!!鷲尾くん不憫すぎる!!!でもこれこそドラマ的展開!!
この後の巧と依子パパの川原のシーン。予告で木刀持って追いかけまわしてたから、なにか狼藉に対して怒っていいるのかなと思ったら違った。そういうミスリードをさせておいてそれを裏切るここのシーンが、本当に良かった。これでむやみに怒っていたり、「無職のやつなんか依子にふさわしくない」って追い出すんだったら、ありきたりなドラマですが、依子パパはあくまで穏やか。一緒に汗を流そうって。頭ごなしに他人を否定しない。ニートだから、いろんなことを器用にこなせないから、そういう理由で否定するわけじゃない、このあたりの描き方が本当にうまいと思った。人物を類型的なパターンで描かない。変な人でも変な人なりの気持ちや相手への心情をちゃんと描いているからドタバタなだけじゃなく物語に深みがある。お父さん本当にいい人だなとわかると、鷲尾くんがあそこまで慕う気持ちもわかる。
で、相手を頭ごなしに否定はしないお父さんが「あの子のことを本気で思ってないなら、好きでないなら、消えてくれ」って。これはぐっとくる。娘を思う気持ちの深さがばしっと伝わる。そして、巧にもその思いが伝わったからこそ「騙せるなんて思ってません、僕みたいなの相手してくれるの、依子さんくらいでした。消えます」と引き下がる決意をする。ふたりの正直な思いが伝わるとてもいいシーン。そして、ここで依子さんが迎えに来るという展開も完璧。これぞラブストーリー。タイミングが絶妙で、見ていて気持ちがいい。「わたしは努力を無駄にすることを良しとしません」っていうのも、迎えに行くのに不自然じゃない理屈でいいセリフだ。
この川原の回想で明かされる依子のコンプレックスもおもしろかった。幽霊として出てくるお母さんとのやり取りで、女として母に負けたくないと依子が思ってるのはわかったけど、なぜそこまでこだわるのかと思っていた。そこには研究者として母に及ばないという事実があったのですね。頭がいいからこそ負けがわかる、だからせめて女としては負けたくない。そういう必死さがあるのかと思うと依子のこだわりが理解できる。こういうのがちょっとずつ明かされていくのがうまいなあと思う。
量子力学を引いて「お母さんの粒子は存在し続けるわ」って慰める小さい依子のセリフもまたうまい。泣ける。
で、鷲尾くんがいない間に巧がお雑煮を作り、まさにお母さんの味だと食べて泣く父娘。これは!まずい!この堅物な二人が泣いちゃうとか、心底感動してるやつ。作った料理食べて泣いちゃうとか、巧との距離がぐぐっと近づいてしまう!!!と思ったら、それ目撃してしまう鷲尾くん。ああなんてドラマ的な展開!!そう、人の気持ちが普通に読める鷲尾くんにはわかってしまう、それが何を意味しているか!それが鷲尾くんの表情で伝わる!!ああ、ショックを受けた顔が美しい!そしてトボトボと帰る後ろ姿も美しい!!
そして、やさぐれる鷲尾くんのカラオケ!!本当に「そうこなくちゃ!」がきちんとくるドラマ!!しかも「とってもとってもとってもとってもとってもとっても大好きよ♪」って鷲尾くん、歌へた!かわいすぎる!!!ほんと毎回鷲尾くん登場シーンがどれも名場面すぎる!!!


お雑煮のオチが本当に舌を巻いた。これ、普通なら、同じレシピでも心を込めて作ると味が違う ってオチだと思うんだけど、そうじゃないっていうのにびっくりした。「心がない」っていうのは依子の圧倒的なコンプレックスで、今まで14人に言われたと覚えているし、前回の部屋で言い争うシーンも「きみには心がない」で論争がストップしていた。でも、お雑煮に関しては、母への愛情も父への愛情も持っているはずで、心がないというわけでもない。それがまさかのお父さんによるレシピ改変。で、依子もそれをわかって作ってたという。「心がない」どころか、互いを思いやった末のことだったというすごいカラクリ!!!
それまでの回での「心がない」に関するエピソードがあるからこそこのカラクリが生きてくるし、父娘の互いへの思いの深さがわかるし、お母さんが「あの子が作らせたんじゃないかしら?谷口巧がお父さんに気に入られるように」っていうように、レシピを教えるということで依子が巧をどう思っているか伝わる。
依子さんの行動は、理路整然としているようで結構矛盾していて、虚偽の申告をしていた巧となんだかんだ言ってつきあっているし、クリスマスに予定がないことを不満に思うし、警察に「交際している」と嘘つくし、コスプレはしてあげるし、わざわざ新年会の前に対策会議するし、それって時間の無駄ではと思うことをいっぱいする、それでいて好条件である鷲尾くんには何の注意も払わない。それは「結局、巧さんのこと好きなんじゃ?」っていうことに繋がる。サブタイトルは「恋とはどんなものかしら」だけど、まさにそれがそういうことだよ!視聴者がそう突っ込みたくなるエピソードが毎回ちょっとずつ積み重なっていく。
うわー すごい脚本だ!!!!
登場人物の気持ちの動きが、しっかりと伝わる。しかも「好きだ」ってセリフじゃなく、エピソードで少しずつ伝わる。結構そこが唐突なドラマって多くて「え?いつの間に好きになったの?」って戸惑うことありますけど、デートは気持ちの揺れがちゃんとしっかりと描かれている。
これ本当によくできたドラマだな!!!!と震えます。
最後の絵馬も素晴らしかった。「彼女と結婚できますように」という巧と「世界平和」な依子。甘ったるいラブストーリに終わらない最高の一撃!痛快な終わり方だった。


このドラマ、無駄なところがひとつもない!かったるいところも、説明的なところもなくて、どのシーンもテンポよくおもしろい。ドタバタもあり、ほろりとさせる部分もあって、それらがきれいにリンクしていく。わたしは良くない視聴者で、ドラマでもバラエティでも裕翔くんが出てない部分はたいていスキップして見ちゃうんですけど、デートはスキップしたいところがない。すっごい脚本!!!!
こんなおもしろい作品に裕翔くんが出ているのを見られるのが本当に幸せ!!!!不憫な好青年が本当によく似合う!!!この分だと、鷲尾くんもただ引き下がるだけじゃなさそうなので、この先も楽しみ!!!!!