弱くても勝てます#1

裕翔くんが野球部員として出演するドラマ、「弱くても勝てます」が遂に始まりました。
主演である野球部監督は二宮くん、裕翔くんとともにプレーする野球部員は各芸能事務所が一推しを出してきたようなイケメン俳優陣。並んでいるところを見るからに清涼感が異常です。学園ものでスポ根ものでありながら、線の細いへっぽこが集まる、頭はいいけど気は優しい野球部という設定。裕翔くんが出演するのにこんなふさわしい設定もありません。原作もおもしろく、期待は高まりました。
で、一回目を見たのですが、期待に違わぬいいドラマでした。
二宮くん演じる若き研究者が、所属研究室閉鎖の憂き目に合い、母校である進学校に教師として戻ってくる、そこで元野球部の縁でなんやかんやで野球部の監督となって、まず部員を集め、ぎりぎりの人数で強豪校との練習試合に臨む、という内容の一話。わりと淡々と話は進みます。
正直「すっげーおもしろい!!!!!」と声高に叫びたい感じではないです。最初に見た時は、するっと見れるけど、ぐぐっと迫るものはないかなと思いました。すごくドラマチックな展開があるわけでもなく、わかりやすいカタルシスもないし、キャラクターもそこまで濃くない(海老蔵以外)ので、かなりあっさり風味です。げらげら笑えるというわけでもありません。
でも見返すと見どころがたくさんあるのに気付きます。青志先生も、野球部員たちも、みんな頭がよくて理屈っぽくてプライドが高くて、でも基本的には素直で実直です。それを、これみよがしにデフォルメして描くんじゃなくて、会話の端々からこぼれるように描いています。それが見返すと理解できて、ちょっと現実から浮いているような会話がしみじとおもいろいです。自分の境遇を嘆く青志の着任の挨拶に対し、白尾くん(裕翔くん)と江波戸くん(ザキヤマくん)が「不本意なんだね」と淡々と分析するかんじとか、赤岩くん(福士くん)に自分の昔話をする青志が、「そもそも左利きのおれがなぜキャッチャーをやっていたのかそこから考えよう」と言い出したりするところとか、もちろん「下手と苦手は違うんです」と国語の問題のような考え方を披露したりとか(この下手と苦手は違うというのは原作にありますが)、普通に考えると不自然なような会話がナチュラルな理屈っぽさを表しています。理詰めの会話が好きだから、軽いツッコミが入らないというのも斬新です。一年生が「いきなりレギュラーに抜擢されて」と言っても、「いやいや、抜擢も何もねーよ」と誰もツッコミません。その妙にサクサクとした会話の進行し具合がしみじみとおもしろいです。
進学校という設定なのに、あんまり頭の良さが見えない、素直すぎるしゆとりっぽいなという印象もありますが、これもよく見るとそういうわけではないことがわかります(もちろん、ゆとりな側面もあるんでしょうが)。なんでも素直に受け入れるというより、論理的に筋が通っていることには納得するってことなのです。声出せという指導も、それが士気を挙げ失敗したメンバーの気持ちをほぐすという役割があるとわかれば実行するし、くすぶってるやつを探せという失礼な言い方も、それが有効な手段であると納得すればそれに従って人を探し出し、負ける試合をする意味を聞かれて「野球部だから野球しないと意味が無い」と言われば納得し、野球部なんだからアウト取らなきゃ裏にならない、野球にならないと言われれば勇気を出して球を捕りに行きます。そうやって、あくまで論理で説き伏せていくというのが一貫した展開です。
リーダーシップのある監督のもとに、だんだんと団結し強くなっていくメンバーたち。というオーソドックスな物語でありながら、異常に論理的というディティールがとても新鮮です。
そして、このクセのある先生のキャラクターに二宮くんは本当に合っています。頭よくてプライド高くて、飄々としてるようで中身は熱い、でも熱さの表現方法が独特。このキャラクターが無理なくはまっています。二宮くんがいるだけで物語が発生する存在感はやはり秀逸です。熱さが前面に出るわけでもなく、ドライさが一種の持ち味である分散漫になりそうな物語に、きっちりと説得力と重みを与えています。
部員たちも本当にかわいらしくて見ていてなごみます。基本的にはみんな素直で、反発キャラの赤岩くんさえも素直です。髪型とか外見が普通っぽいのもいいですね。いかにもエキセントリックなわけじゃないのが、ナチュラルな変人感が出てておもしろいです。各々のキャラはこれから出てくるんでしょうが、とりあえず1話では奏多くん演じる亀沢くんがおいしかったですね。「ある種の素振り」をする様子が本当によくはまっていました。
そしてまあ、裕翔くん演じる白尾くんの美しいこと!!!!!
美しい!!
美しい!!!!!
そしてまた美しい!!!!!
画面に裕翔くんが映るたび、発光してるかのようにまぶしい!!!!
学生服の裕翔くん、ユニフォームの裕翔くん、カレーを食べる裕翔くん、双眼鏡を手に人を探す裕翔くん、ノックをする裕翔くん、海辺を走る裕翔くん、試合に出る裕翔くん。
ああ、どの場面もなんと美しい!!!!まぶしい白さ!!!溢れ出る爽やかさ!!!動くたびこぼれおちるキラメキ!!!!!
やる気に満ち溢れたキャラクターというのも素晴らしいです。「メジャーリーガー目指してます!」と、大マジメに「…おまえ何言ってんの??」と思うような大それた夢を語る、ちょっとずれてる白尾くんというキャラクター。最高すぎます。過度に素直で過度にまじめな裕翔くんの性格にそのまま重なるし、それでいて野球という新たな側面を見せてくれます。最高の設定!!!!
しかも次週予告によると、来週は白尾くんメイン回で、ラブな展開もある様ではないですか!なんですか、それは!!!楽しみすぎます。もうロマンチックが止まりません!!!!!!


そんなかんじで本当に楽しんで見ています。まだ始まったばかりですが、とりあえず期待しかないです。数字はそこそこだったらしいですけど、変にテコ入れせずにそのままのテイストでいってほしいと思います。