いつも同じ感想ですが

理想の息子もあと2回ですね(9話放送前に書いています)。
最近いつも浩司くんのことを考えています。裕翔くんが制服着てそこにいるというだけでじゅうぶんに華やかで楽しいんですけど、その上浩司くんというキャラクターが、ものすごくキュートでチャーミングでかつせつなさを抱えていて、とても考えがいのあるキャラクターなので、いつもぐるぐると考えています。
本当に浩司くんのキャラ造形が丁寧でうれしいです。周りの人に影響を受けてちょっとずつ成長していくけれど、いきなりガツンと「いい子」になるわけではなく、卑屈さも狡猾さも持ち合わせたまま少しずつ変わっていくところが、リアルさがあっていいです。
先週放送の8話も出番こそ多くなかったけれど、物語上ものすごくキーとなる役回りで感動しました。冒頭部分から最後のオチはだいたい読めるわけです。「ということは!ということは…!!浩司くんせつない!!!かわいい!!!せつない!!!」となって、浩司くんなんたるせつなさ…と胸がいっぱいになりながら見てました。せつなすぎて中盤の展開がぜんぜん頭に入らなかったです。
浩司くんママと浩司くんの話はある意味物語の核ですよね。この二人のキャラクターは、最初からぶれなくて、他のキャラクターの悩みが突拍子もなかったりとっ散らかったりする中で、ある程度のリアリティを保ちつつ展開していって、この親子の関係が全体の物語を引っ張っていると思います。主役じゃないからこそ、そういう大事な役回りになっているというところもあるという意味では、むしろ主役よりおいしいと思うし、そいいういい役がきて本当に良かったなあと思います(個人的にはこの話でおいしいのって浩司くんと、藤ヶ谷くんの友だち役の人な気がします)。
わたしは一代で家を築いた男とその家族の物語に弱いので、その点でも浩司くんと浩司くんママの話は興味深いです、北杜夫の『楡家の人々』を最近読んで、すごくおもしろかったんですが、これに出てくる龍子さんという人がまじで浩司くんママのような人で(楡病院の創始者の長女で、プライドが異常に高く、父亡き後家を継いだ婿がぱっとせず、息子も出来が悪くて「こんなことでいけない!お父様の作った病院が衰退してしまう!!」と常にカリカリと怒っている)、浩司くんママを見るたび龍子さんみたいだわと思って、勝手に物語を交錯させてしみじみと家族たちのそれぞれの思いを想像してしみじみしています。6話で浩司くん誘拐された時とか、息子に対する優しさ的なものもちらつかせて、それに涙する浩司くんはまじで美しかったし、裕翔くんの演技の見せ場でテラいい場面でしたけど、あそことか、龍子さんにしては優しすぎる!とか思ったりしました。いや、でもあそこの場面本当に良かったですけど。
あとわたしは、じいさんが死ぬシーンにすごく弱くて、楡家の人々でも泣いたし、ガルシア=マルケスの『百年の孤独』のホセ・アルカディオ・ブエンディアの最後のシーンでも泣きました。ホセ・アルカディオは、最後に迎えにくるのが、若い頃決闘で殺した相手のプルデンシオ・アギラルなのが最高におもしろいんですけど、ああきっと浩司くんのおじい様もそれくらいいろいろやってた過去があるんだろうななあと勝手に想像して、浩司くんの家族の一員としての人生に思いを馳せたりしています。ちょっとずつ求心力が失われて崩れていく共同体の中でもがきながら生きていくか弱い息子ってせつないですね。せつなくて少し滑稽な役回りです。
というかんじで、もはやただの妄想の暴走ですが、浩司くんのことをずっと考えてます。
ビジュアルがどうとかじゃなくて、そのキャラクターや物語についてあれこれ思うことができて、それはキャラクターが確立されているということで、それはすごくうれしいことです。そればっかりですけど、ほんとにいい役がきてよかったと何度でも思います。
この前のスク革でメイキング映像が映ってましたけど、すごく現場が楽しそうで、それは本当に見てても伝わるし、そのことも良かったなあと思います、心から。
ここまで言っておいてあれですが、じゃあこのドラマを鬼のようにリピっているかというとそうでもないです。なぜなら、浩司くんを寝る前に見てしまうと興奮して寝れなくなってしまうからです。リアルに次の日に支障をきたしたことがあるので、あんまりしないようにしています。でも、一度見ただけでインパクト絶大なのでなんかもう本当におなかいっぱいです。
ああ、こんな日々ももうすぐ終わるかと思うとさびしくてたまらないです。