翼はどこに置いてきたの

突然ですが、読み返してた本*1の中のとあるセリフが気になったので、引用します。
オランダ移民の美少年ウリセスが主人公のお祖母さんと会うシーン。

とうていこの世の者とは思えなかった。美貌から発する光そのものによって、闇のなかでも姿が見えているかのようだった。
「ちょいと、あんた」と祖母から話しかけた。「翼はどこに置いてきたんだね?」
「翼があったのは、ぼくのお祖父さんさ」とウリセスは平然と答えた。「誰も信じないけどね」
祖母はもう一度、うっとりとした目でウリセスを眺めた。わたしゃ信じるよ、あしたは翼をつけておいで、と言い、じりじりしているウリセスをその場に残して店の中に入っていった。

そうかお祖父さんか。
この質問、ゆうとくんもよく受けると思うの。その時はこう答えればいいんだと思う。
わたしもそう言われたら素直に信じる。
たまにはコンサートに翼をつけてきてもいいんだよ。でもテレビの生放送の時につけてきちゃだめだよ。日本中にばれちゃうから。


どこの国でも信じられないほど美しい少年を見た時、「まじ、天使……!!」と思うもんなんですね。てゆうか、そもそも西側から輸入された概念か。
そういえば、わりと貧相な衣装だった少クラでの「ありがとう〜」ですが、あの映像を脳内で再生すると、そこではゆうとくんが羽衣をまとっています。動くたびにキラキラしたものがふわっと周りに放たれていたような気がします。錯覚とわかっていますが、きっとある意味錯覚じゃないはず。

*1:「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の話」ガルシア=マルケス