「ニッポンの嵐」読みました。

日本の良さを伝える本?が去年発行されて学校に配られたというのは知っていましたが、内容を全然知らなかったので新鮮でとてもおもしろかったです。嵐5人がそれぞれ「日本の美しさ」を発見するために各地へ行ってさまざまな人に取材するという、ともすれば薄っぺらく形だけの「いいお話」に終わりそうなテーマなのですが、すごく練られて丁寧に作ってあるのがわかる、読みごたえのある本になっていました。ふつうに「へええ」と思う新しく知れることもたくさんありました。
取材する対象もすごく慎重に選定されていますね。取材する本人がそれに興味があって、なおかつ5人バランス良くばらけて、全体としていろんな角度から「日本の良い所」を切り取れるようになっていて、それだけで「おお!すげーな!」という印象を持ちました。その対象に対して真摯に接する嵐の姿勢が伝わってきて、そこに素直に感心したし、伝えようとするテーマがすんなり入ってきました。取材する嵐の様子を詳しく描写しすぎて、これじゃファン向けの本になってしまうギリギリのところなんではと思うほどですが、匙加減が絶妙です。嵐をメインに描くからこそ押し付けのジャーナリズムとはまったく違うアプローチで取材対象を紹介することに成功してるのかな、と贔屓目かもしれませんが思います。
24時間テレビなどもそうだったんですけど、番組趣旨自体が上から目線のきれいごとを押し付けるような作りでも、嵐の5人それぞれが本当に真摯に正面から誠実に取り組んでいる姿勢を見ると、こっちも素直に伝えようとすることを受け止めることができます。今回この本を読んでそのかんじを思い出しました。
写真もすごくいいですね。みんな本当にいい顔してる。任天堂訪問の「あこがれの人を前に嬉しそうな二宮」くんは、本当にいい顔してますね。いい顔過ぎて笑いました。10年以上嵐ファンやってますが、こんなわかりやすく全開でうれしそうな顔めったに見れるものじゃないので、いいもの見たなって思います。


こういう本が学校に配られるとか、嵐すげーな国民的アイドルなんだなって思いました。
話は飛びますが、前に野口聡一さんが宇宙へ行った時、ウェイクアップコールでスマップさんの「世界に一つだけの花」を流していたのが、すっごくすっごくうらやましかったんです。国民的アイドルってこういうことか!と思いました。単純に宇宙で曲が流れるということがうらやましくて、嵐が国民的アイドルになった暁には、ぜひ嵐の曲も宇宙で流れてほしいと思ってました。
嵐も今や「国民的アイドル」と言われるようになりました。でも、嵐のあり方って全然違う方法なんだなって思います。宇宙に行くとか、そういう「上を目指す」方法じゃない、地味にこつこつ「地に足つける」方法なんだな、と。もちろんいろんな面を併せ持つからこそアイドルはおもしろいし、嵐もそういう方法を取るだけではないけれど、そういうあり方が嵐のひとつの象徴だと示されたような感じがします。
宇宙開発も曲がり角を迎えて、科学技術が直線的に進歩してそれがバラ色の未来を誘ってくれるという夢が見れなくなった現状において、そういうやり方が国民的と評されるアイドルには合ってるのかもしれません。
どういう方法がいいとか悪いとかではなく、それが嵐が辿り着いたひとつの結論なのでしょうね。想像すらしてなかった地平です。