砂漠の戦い

正直に言うと、わたしはまったく期待してませんでした。
でも予想より遥かに素晴らしい事態になっていてびっくりしています。


わたしはずっとずっと、ゆうとくんにドラマに出てほしいと願っていたけれど、そうならないかもしれないとも思っていましたし、ドラマの仕事が決まってからも、あまりいい役じゃないかもしれないと思っていました。そうやってきつく予防線を張っていました。
わたしは期待することに疲れていました。じゃんぷの活動を追うようになってだいぶ経って、自分がこうなってほしいと思う希望が叶わないということが重なったからです。こうなってほしいという夢が山ほどありましたが、それが叶わないばかりか、まったく望まない方向に転がってしまうことが多々あり、勝手に希望を抱いてはそれが叶わずに勝手に失望することの繰り返しでした。
もちろんそれは勝手にわたしが描いた理想通りにいかなかったというだけです。悪い条件が重なることもある中で、それでもじゃんぷはじゃんぷとしていろいろなことを達成しています。でもわたしは自分の夢が叶わないことでぽっきりと心挫けていました。
そういう中でゆうとくんのファンになったので、具体的な夢は描かないようにしていました。本人がどれほど願っても、ファンがどれほど願っても、それでも誰のせいでもなくうまくいかないことはあります。そこでうまくいかなくていちいち失望するのは疲れるので、ゆうとくんがそこに存在していればそれでいいしそれで満足、というのを信条にやってきました。実際それで満足していました。
高校生のうちに高校生役としてドラマに出てほしいと思ってはいたけれど、それが叶わぬまま卒業してしまうことも覚悟していました。ゆうとくんのあの美しさをドラマというパッケージとして残さないなんて、宇宙に存在する素晴らしい資源の無駄遣いにも程がありますが、わたしがいくらそう思ったところで、事務所やドラマを制作する人がそう思わないことにははじまりません。そういうことも起こり得るかもしれないと半ば諦めていました。でも、やっぱりそんな未来がきたら悲しいし、その時はどんな思いで卒業をお祝いすればいいんだろうと悩んでいました。そんなことになったら関係者全員を呪ってやる!と思いつつ、晴れの日に呪いの言葉を吐くのもなあ、とか真剣に考えていました。
だから、高校生のうちに高校生役をすることが現実となって、すごくびっくりしました。
この、連ドラ出演中という状況で卒業式を迎えることができて本当に本当に良かったと思います。昨日の卒業式の会見を見て、本当に心から祝福を送りたいと思いました。呪いの気持ちで見ることを予想していたから、そうやって晴れやかな気持ちで卒業式を見ることができるのがすごく意外で、そういう状況になっていることがすごくすごく嬉しかったです。
ドラマに出ることが決まってからも、わたしは過剰な期待はしないようにしていました。出番がどれだけあるかわからないし、脚本や演出がくそつまらねーかもしれないけれど、それでもゆうとくんの姿が地上波にのって流れるだけでも十分に価値があるし、それだけでうれしいし満足だと思おうと決めていました。
でも実際には出番の多さがどうのこうのという次元をはるかに超えた役でした。
出番も多いのですが、役もすごくすごくいい役でした。こんないい役がくるとか予想外すぎます。
ひとことで言うと「おいしい」です。キャラクターがはっきりしていて、コメディとしてのアクセントにもなりつつ、ストーリーの骨格に深く絡む役です。ドラマのキャラクターとしてもおいしいし、見せ場も多いし顔が大きく映ることも多くてアイドルとしてもおいしいです。ゆうとくんがそういう役を演じていることが夢みたいで、毎回感激しています。
浩司くんの持つコンプレックスもひ弱なところもずるいところもだめなところも勇敢なところも心の葛藤もちょっとずつ成長していくところも、どれも今まで見たこともないような多彩な表情でゆうとくんが表現していて、その一瞬一瞬に目をみはります。
浩司くんは、弱っちいやつなんだけどものすごくチャーミングで、わたしは浩司くんというキャラにめろめろです。ゆうとくんがやるからこそ、ものすごくチャーミングな浩司くんなんですけど、ゆうとくんとは違う浩司くんが存在していて、その浩司くんが好きです。
発表会見でゆうとくんは「ムカつくんだけどかわいいところもある二面性がある役なので、それを表現したい」と語っていましたが、本当にその通りになっています。それは役者としての力があるということです。ひいき眼5000%なので、役者としてどうなのかの判断はぜんぜんつかないのですが、たぶんすごくすごく成長しているし、成長しているという表現が失礼なほど、ちゃんと演技のできる役者なのだと思います。
ドラマが始まる前に雑誌のインタビューでゆうとくんは「3年のブランクがあったって、その時間をむだに過ごしたわけじゃない」と語っていました。それを読んで泣きそうになりましま。そのことばを聞くだけで、この3年のゆうとくんの苦悩がしのばれます。見ているだけのわたしにもこの3年は長かったのですが、本人とってはどれだけ長かったことでしょう。まるでそれはいつ果てるとも知れない砂漠の戦いのようなものだったでしょう。
でもゆうとくんはその時間を本当にむだにしなかったのです。それは浩司くんの姿が何よりも雄弁に語っています。伝えたいことはパフォーマンスとして見せてくれることが何よりもファンとしてうれしいことです。そういう形で成果を出してくれたことが本当に夢のようです。こうやって形にすることができて、ゆうとくんもすごくうれしく思っているんじゃないかと思います。それもまたうれしいです。
こんなことってあるんですね!!!!!
期待していなかったから、どう受け止めたらいいかわかりません!!!!うれしいっていうか、とまどいっつーかおどろきっつーか、なんかもうよくわかんねーよ!!!というかんじです。
このタイミングでドラマ仕事がきて本当に良かった。この役がきて本当に良かった。心からそう思います。本当に良かった。本当に良かった。本当に良かった。本当に良かった。本当に良かった。ドラマを見てる間中ずっとそう思っていました。
この巡り合わせには感謝するしかないです。キャスティングした人も脚本書いた人にもその他もろもろ携わってる人々に感謝します。そして、このチャンスを確実に自分のものにしたゆうとくんは本当に本当に本当に本当にかっこいいです。宇宙一かっこいいって知ってたけど、本当に宇宙一かっこいい!!!!!
諦めながら待っていたわたしには、喜ぶ権利はないのかもしれません。でも、わたしのばかみたいな予想を裏切って鮮やかにそのかっこよさを見せてくれたことを、やっぱりとてもとてもとてもうれしく思ってしまいます。