アジアツアー香港感想

気がつけば2週間も経ってしまいましたが、JUMPの香港公演についての感想を書きます。
香港公演すごく楽しかったんですよ。ものすごく楽しかったんです。
だいぶ呆れるほどの回数ジャニーズのコンサートには行ったことがありますが、その中でも特別に楽しかったです。楽しかったし満たされました。1ミリの隙もなく幸福感で満たされる感覚を味わいました。その空間で起こっているすべてが胸が締め付けられるように美しくて夢の中にいるみたいでした。この空間はシャングリラだと思いました。
ジャニーズの公演を見て「ここはシャングリラか!」と思ったことは前にもあります。08年の台場で行われたサマリーです。JUMPにはまってから間もなかったこともあって、わたしはあのサマリーが好きでした。あの時のすごく楽しかった気持ちを思い出しました。そういう幸福感でした。
公演内容は基本的に横アリで行われたものを踏襲しているのですが、受けた印象はかなり違いました。
カイテックという会場が横浜よりだいぶ小ぶりだということはあります。わたしが行ったことのある会場だと朱鷺メッセに近いのですが、要するに長方形の展示場にステージを作って椅子を並べたような作りです。それにプラス、サイドとメインステ裏にスタンド席がある感じです。これが程良い大きさで、確かに近くはあるけれど窮屈感はなく、天上の高いホールなので小じんまりした印象はないんです。適度に遠さがあって全体を見渡すこともできるという良い会場でした。現地ファンは始まると中央花道に寄っていくので、最初はびっくりしましたが、自分が花道に近くない席だと逆に周りに人がいなくなって視界が良くなったのであまりストレスは感じませんでした。というか、そこに関しては「言葉も違い文化もまるで違う外国の人々に愛されている!!」ということに単純に感動しました。
その適度にコンパクトな会場で、余計なものをそぎ落として濃縮した内容を出してきて、そこがすごく良かったのだろうなと思います。
日本語が通じないので余計な寸劇や説明的なセリフがないんです。そして今回ジュニアがぬんぼしかいません。少ない人数でステージを回していくため冗長なところがなくタイトに進行します。余計なものがないというのは素晴らしいことです。そのタイトさがスピード感を生み、ステージにまとまりを与えていました。
最初に扇を持って登場したところもすごく良かったのですが、そこから情熱JUMPで、いろんな場所で立て続けにフライングするところもすごくドラマチックで良かったです。フライング補助をメンバー同士がするので、くるくると立ち位置が変わっていくのですが、それがすごく緊張感があって見応えがありました。フライングも、真下やそれに近い位置から見られるので迫力がありました。横アリでは同じフライングをやっていても、ほとんどの席では「見下げる」ことになるのでどうしても迫力に欠けますが、カイテックの大きさだとすごく映えました(ヴァンパイア前のフライングも、和風コーナーのフライングも格段にかっこよく感じました)。
そしてそこからのドリカムが本当に幸福でした。緊張感のあるオープニングから、それを解き放つような優しさあふれるで、一気に幸福感が満ちていくようでした。最初は花道を手を振って歩いていて、それだけでもかなりグッときましたが、大サビでJUMPが横2列になって交差するように歩くところで感極まりました。「これが見たかった!!!!!」と思いました。わたしはドリカムでJUMPにはまったので、思い入れもある曲ですし、それが、いちばん見たい演出で見ることができて本当に幸せでした。
フライングもそうですし、Timeを見ても思いましたが、こういう同時多発的な演出はこれくらいの大きさのホールで映えるなと思いました。全体が目に入るから演出自体を楽しめます。大きな会場だと双眼鏡を使ってしまうので全体が見られません。そうでなくても、横アリのような構造だと、多くの座席ではメインステを見るとバクステを同時に見ることは物理的に不可能です。そういうストレスがないので全体を見ることができて公演自体が楽しいと思えたのかもしれません。
そしてこの公演が楽しかったのは、えびじとぬんぼに因るところが大きいと思いました。特にえびじに関しては心から感服しました。ほんとにすげー!!!と思います。えびじがいることによるステージの引き締まりっぷりは半端じゃなかったです。パフォーマンスもクオリティ高くて全然飽きさせなくて楽しかったです。楽しかったので5starsとか振り付けも覚えました。パフォーマンスもクオリティ高いし、サービス精神にあふれているところが素晴らしかったです。MCではちゃんとひとりずつ広東語で自己紹介するし(JUMPは広東語で自己紹介しなくてさびしかった)、それぞれ持ちネタは披露するし、それでいてでしゃばり過ぎずメインであるJUMPを立ててくれます。そしていわゆるファンサ曲での態度も素晴らしかったです。彼らのうちわを持っているファンは少ないのですが、自分のうちわを持っている人じゃなくても、お客さん全体をぐるっと見回し微笑み手を振ってくれるのです。そして曲に合わせて手を振ります。いわゆる「あおる」動作をするんです。これがものすごく新鮮でした。曲に合わせてのるって、当たり前のことのようだけれど、いつものJUMPコンではない概念です。でもすごく楽しいです単純に。客席に一体感も生まれます。いつものコンサートに欠けていることを思い出せてくれました。
とにかくレベルの違うプロフェッショナルさを見せつけられた感じがしました。今まで正直あまりえびじに興味を持ったことはなかったのですが、考え方がかわりました。ぬんぼの二人も、サポート役をしゅくしゅくとこなしていてかっこよかったです。アシスタント業に関しては毎日現場を踏んでいるという自信と貫禄を感じました。
えびじとぬんぼがいることによって公演自体が引き締まっていた感はすごくしました。中盤でやったアンダルシアもこの2組がいたから実現しただろうし、それが結果すごく豪華で華を与えていたので、本当に一緒に来てくれてありがとうと思いました。
08サマリーを思い出すと書きましたが、えびじとさなのんがいたということは、まさしくあの08サマリーの再現のようなものとも言えます。まさか限界メーターを2012年に、しかも香港で聞けるとは思いませんでした。それはただの符合の一致とも言えますが、いい思い出が重なったので個人的には特別に感じるし嬉しく思います。あの時よりずっとずっと成長したパフォーマンスを見せてくれて、同質な幸福感を与えてくれてうれしいです。
海外公演ということで圭人がフィーチャーされる場面が多かったのも、新鮮さを与えていて良かったです。たとえばThank youの曲に入る前、薮くんと山田くんが挨拶をする場面で、ふたりが言い終わった後当然のようにそのふたりの間に入ってきて同じ内容を英語で朗々とスピーチします。わたしはあの場面で挨拶するのが薮山田の二人という図式に心底飽きているので、こうやって変化があるととてもおもしろいと感じます。前半で「盛り上がってる?」的に"Everybody involved?"と言ったり、アンコールで客をあおる時"Do you love HeysayJUMP?"と言ったり、盛り上げる役も基本圭人で、本当に大活躍でした。 そしてそこに対し「今日は圭人よくしゃべるな」的ないじりもなく、当然のようにやっていることも新鮮でした。「いつもの図式」が破られることはいいものだと思ったし、自分がそこを求めているということもわかりました。
海外に来たということで見ている自分のテンションが全然違うというのもあります。当たり前です。言葉も通じない外国に行って平常心を保てるほどの余裕はありません。会場に着いた段階で「やっと辿り着いた!!!」感は半端なかったですし、始まる前の会場アナウンスが3ヶ国語だった段階で「うああああああああああ!!!本当に外国で公演するんだ!!!!!何それスターすぎる。かっこいいいいいいいいい」と感無量でした。そういうテンションで、そしてパッションあふれる現地のファンと一緒に見れば、やっぱりすごく楽しくなります。
最後の公演ではける時、裕翔くんは何度も「しあわせ!!!」と言っていました(日本語です)。それを聞いて「わたしも幸せ!!!!!!」と思いました。
基本的には裕翔くんが楽しそうならそれだけで楽しいし、そう思う気持ちはうそじゃないのですが、そうやって提供するものにいつもすごく満足してるかというとそうではないです。でも香港では何もかもにすごく満足して心から幸せだと思いました。そう思えたことが本当にうれしいです。
本当に行って良かった香港公演でした。
ちなみに3月の公演が延期になった「演出上の都合」は謎のままです。