清く正しいラジオ

やっぱり何でもいいから日記を書いてみると、そういうえばこれ書こうと思ってた、ということを思い出したりしますね。というわけで、昨日日記を書いてみた後に思い出した大切なことについて語ります。
裕翔くんのラジオって、異常なほど「アイドルとして正しい」んです。
裕翔くんのやってる(正確に言うとHey!say!7の4人で持ち回り制です)「Hey!say!7 Ultra Power」は、レコメンという夜のワイド番組の中の箱番組です。このレコメンに光一さんがゲストで来てた時に、この番組を聞いて「Hey!Say!JUMPはちゃんとラジオやってるなー」と感心していました。そうやって興味を持ってくれることもうれしかったのですが、感心するのもわかります。本当に「ちゃんとした」ラジオなんです。
その時横山さんが「後輩はあんだけ声張ってタイトルコールするんすよ」と言っていましたが、確かにタイトルコールは声を張っています。タイトルコールのみならず、全般に渡って声を張ってはりきって喋っています。ふたりで持ち回りだった時より、ひとり担当制になってからより声を張って喋ってるように感じます。さらに内容もちゃんとしてます。非常に清く正しいです。
たとえば、友達と組んでるバンドでドラムを担当したい、どう説得したらいいかというリスナーのお便りに対してはこう答えています。

ドラムをやりたいなら、練習。ひたすら。誰よりも練習して。そのバンドのドラムになってやれ。なので、言い訳ってよりかは、もう、行動。実行するしかない。今すぐ、もう、スタジオ行って、何でもいいから、ドラム叩いて。練習した方が、いいと思います。(10月1日放送分)

コンテストで力が出せなかったと落ち込むお便りに対してはこのように答えます。

すぐ立ち直ろうっていう時は、リフレッシュ。何でもいいから。さっぱりしたもの食べるとか。スカッとする曲を聞くとか。そういう人間はそういうものに結構力を得ているので、何でもいいんじゃないですか、たとえば僕たちHey!Say!JUMPでも。何でもいいと思います。聞いて立ち直ってほしい。でも中二でしょ?三年生は、あるのかな?もしあったらね、それに向けてがんばってほしいですし、まだね、まだまだ。だって高校入っても吹奏楽部あると思うし。三年生もあると思うし。なんで、ぜひ僕たちの曲でも何でもいいので、聞いて元気出してください。(9月26日放送分)

いつでもお便りに対して真剣に向き合い、非常に真っ当な、気をてらわない直球な答えを返してくれます(「さっぱりしたものを食べる」がじゃっかんユニークですが)。
5才下の妹とケンカして仲直りしたいという悩みに対してはこうです。

意外とそうなんだね、おっきなケンカって些細なことなんだよね。些細なことで。これねー、どっちかが折れるしかないでしょう、これはもう、お姉ちゃんであるもゆもゆさんが謝るしかないです。やっぱりね、5才も離れてるからね。まだ、ちっちゃいから。もうねやっぱり自分が、そこは大人になって、あげることが大事だと思う。うん。もゆもゆさんが大人になってるところをおれはわかってあげるから。それが大事だと思う。これでね、仲良しになってください、また。(9月20日放送分)

自分も弟のいるお兄ちゃんであるという経験を生かし、実際的なアドバイスをしています。そこに付け加えて、「おれはわかってあげるから」です。これ、何のセリフ的なことでもなく、さらっと自分の意見を言う中に織り込んでるんです。この少女マンガ的なセリフを。ごく普通に言っていました。
リスナーからの、有岡くんは『よく山田がおれをからかおうとして、ニセ情報を持ってくるんだ』って言っる、というお便りを読みながらこう呟いていました。

…へー、そうなんだ。ニセ情報よくないよな。よくないよ。(10月3日放送分)

確かに嘘はよくないです。裕翔くんはきっと正直さを善きことと考えているのでしょう。正論をさらっと言っています。
全般に渡ってこの調子です。もちろんお便りの内容によってはもう少しくだけたことを言うこともありますが、基本的にはこのように、非常にまじめに、清く正しいことをごく当然のこととして話しています。すごく「アイドルとして正しいラジオ」だと思います。
でも、こういう正しいラジオって意外と珍しい気がします。ジャニーズの他の方のラジオを聞いていても、こういうテイストってありそうであまりない気がします(といっても、それほどたくさんの方のを聞いたことがあるわけでもないのでイメージですが)。ラジオはアイドルの仕事の中ではやや変化球だし、テレビやコンサートががっつりと煌びやかで華やかなものであるなら、ラジオは裏の顔や素の顔を見せることに軸を寄せたテイストになるものです。それこそちょっとだらっとした感じになったり、ネガティブなことや下ネタ的なことを言ったりすることもあったりします。それがまたラジオのよい所でもありますし。
そういう中で、ど直球に清く正しいラジオというのは希少です。
10代後半の男の子の「素の顔」ってたぶんそれほど清くも正しくもないものです。正論をまっすぐな切り口で口にするのは照れたりためらったりするし、ちょっと斜に構えて斜めから切ろうとしたりします。真っ当な答えというのはある意味で超現実です。ちょっと異常です。
そういう超現実的な清く正しいことを、裕翔くんは、何のためらいもなく、何かのパロディでもなく、ど直球に口にすることができます。これは本当に素晴らしいことです。それは意識してそうしている部分もあるであろうし、持って生まれた特質のせいでもあると思います。それは稀有な才能です。
「アイドルっぽくない」ということが、時にほめ言葉として流通することもありますが、でも「アイドルらしい」というのは大切なことです。アイドルらしいアイドルがいなかったら、アイドルっぽくないアイドルも存在し得ません。ど真ん中の「アイドルらしさ」を素直に表現している姿がまぶしいといつも思っています。