たとえばもっと

JUMP

ひとつ前のエントリでジャニワの脚本について乱暴にdisってそのままにしてましたけど、今さらながら補足します。
脚本に文法的な間違いが多いのが嫌なのではないです。もちろんそこも気になるところではありますが、一番言いたいことはそこではないです。話の内容そのものがやはり今ひとつだと思います。
ジャニワのストーリーは唐突なところも多いですが、そこまで意味不明ではないです。言いたいことは何となくわかります。エンターテインメントに携わる人間には何があってもショーを続けなければならないという強固な意志が必要であるということ、十二か月で季節が一巡しその繰り返しの中で死に向かっていく人間の運命、その運命を嘆きつつそれを受け入れていくことで獲得する生の悦びへの気づき、というようなことだと思います。そこに「美少年は世界を救う」という強烈なメッセージを入れるとああいうことになるのだと思います。
それは何となくわかるし、それ自体はそこそこいいメッセージな気がします。でもどうにも釈然としないのは「何となくわかる」からです。中途半端だということです。
年若く華やかな出演者をあれだけ用意してあの公演数同じ演目を繰り返し繰り返し、たとえ感染症がはやろうとも別仕事で人員が欠けようとも続けるわけです。それだけで十分強烈なメッセージです。まさしく狂気です。出演者と制作者の、ショーを続けていく強固な意志と、過剰なほどの熱意をはっきりと感じ取れます。狂っているということは言われなくても分かります。そのこと自体が狂気なんですからわざわざ「狂ってるって言われたっていい」とか言わなくてもいんです。言うとじゃっかん興ざめになります。
その狂気を引き立たせるためにはもっと起承転結わかりやすい簡単なストリーにしてもいいと思います。ショーがあれだけ華やかなのですから、その枠組みであるストーリーはバカでもわかる単純なものであってもいいんじゃないかと思います。
もしくは、もっと意味不明なものであってほしいです。「何となくわかる」とかいらないんです。唐突な展開を時々挟むくらいなら、どうせなら一般人が「なんとなくわかる」と理解できる隙など一分もない完全なる意味不明なものにしてほしいです。もっと突き放して、ジャニーズは独立した別の宇宙だと思わせてほしいです。頭がしびれるほどの興奮を味わいたいです。
そう、もっと狂ってほしい！！！
考えるな感じろ、というなら、もっと考える余地もないくらいぶっとんだ奇想天外な世界を見せてほしいし、考えてほしいなら考えるに足る思想をわかりやすく提示してほしいです。もちろんセリフ自体も美しいものにしてほしいです。
果てしない理想ではありますが、でもあの子たちが何百回も繰り返し繰り返し演じて、たくさんの人が見る演目なので、「これは名作！！」と言われるような内容であってほしいと望みます。


てゆうか本当に再演するんでしょうかね？？
それこそ考えたところでどうしようもないですけどね。は、これこそが思考停止しろというメッセージ？