裕翔くんの好きなところ95:悩みを素直に吐露するところ

裕翔くんは、自分の抱えている悩みや葛藤をわりと素直にインタビューなどで語ってくれます。
もちろんそれは、裕翔くんの感じていることや考えていることのごくごく一部で、語られないことの方がずっと多いのだと思います。それでも、「そんな率直に語ってくれるとは」と意外に思うようなセンシティブなことをするっと告白してくれることがしばしばあります。

たぶんオレ、デビューしてから挫折みたいなものを味わったと思う。小学生の時忙しかったから、デビューしてからなんだか物足りないなって思っちゃった時があるんだよね。これでいいのかなぁって。(中略)メンバーが10人もいる中で埋もれちゃいけないなって危機感も出てきたし。
(duet2010年9月号)

立ち位置がだんだん後ろになっていった時は、正直「がんばってるつもりなのになんで見てくれないの?」って悩んだりもした。でも、ドラムで個性をアピールできるようになってからは自信がついて「この位置だからできることがある」って思えたの。だから『SUPER DELICATE』でセンターになった時も浮かれなかった。前に出すぎないように、後ろの人に被らないように。大切にしたのが“9人のバランス”。
(duet2012年10月号)

神経質なところがあって、人からどう見られるか気になる性質だというのに、そのようなことを語ってくれるのは少し意外な感じがします。「悩んでいるところを人に見せたくない」というこだわりはそれほどないようです。
裕翔くんは非常に誇り高い人だと思いますが、そのプライドは「悩みを言わない」という方向にはいかないようです。そんなことでは裕翔くんのプライドは傷つかないのでしょう。
悩みを一切口にしない、という美学もあるでしょうが、裕翔くんの美学はそこにはないようです。わたしはそういう姿勢が好きです。
そうやって弱さを見せることができるということが、逆に、少しの弱さを見せることでは揺るがない強さや度量を持っていることを表しています。語れるということは、その悩みを客観視できる程度には乗り越えたということです。悩みを吐露することは、裕翔くんの繊細さでもあり、強靭さでもあるのです。