トカゲと最後の春休み

今月初旬に発売されたアイドル誌を読んでいておどろきました。
裕翔くんは最近、トカゲを飼い始められたそうです。


裕翔くんとトカゲ


裕翔くんとトカゲ


裕翔くんとトカゲ!!!!!!!


なんという耽美な響きでしょう。興奮します。この文字列だけでご飯三杯はいけます。
爬虫類の無駄なものを削ぎ落とされた洗練された美しさは、裕翔くんの造り物のような端正な容姿をより引き立たせます。そして、広く動物を愛するいうところで心根のやさしも際立ちます。わたしは裕翔くんと爬虫類はとびきり相性がいいと思います。
数ヶ月前からインタビューで飼ってみたい動物として爬虫類と答えてらしたので、それを見るたび「本当にお飼いになればいいのに!!お似合いになるのに!!!」と願っていましたが、早々と願いは叶えられていたようです。うれしいです。


そして、トカゲを飼うに至った経緯がまた奮っています。

こないだお父さんが「庭でつかまえた!」って15cmくらいの小さいトカゲを2匹持ってきたの。早速虫かごに土を入れて石で寝床を作ってあげたよ。週3で日光浴させたり、ちゃんと世話してるよ。帰ると枝の上で寝てたりしてさ。もう、超〜かわいくて、めちゃめちゃ癒されるんだ。(Wink Up 2013年12月号)

絵本か
絵本と見まごうような完璧に幻想的な光景です。お父様がトカゲをつかまえてそれを飼うようになるのもファンタジーなら、それを世話して「超〜かわいくて、めちゃめちゃ癒される」とコメントするのもまたファンタジーです。キラキラとしてかわいらしいものしかない夢の世界。それをこの世知辛い東京のどこかで作り出してしまうのが裕翔くんの魔法のような力です。
このインタビューが裕翔くん(小6)のものであれば単に微笑ましい光景ですが、裕翔くん(20才と約2か月)が言っているというところで微笑ましいを超えた凄味があります。世にも麗しく、25才の会社員を演じても違和感のない容姿の青年の中に、まさしく少年の心が歪みなく宿っているというこの現実。現実なのに現実感がありません。完結されたその世界は外側から見ると歪みがあります。その歪みがこの上なく美しいです。


家族と仲良しなのも動物を愛するのも昔から変わらない裕翔くんです。最近でも、家族と食事に行ったり遊びに行ったり、お誕生日には盛大なホームパーティをされたりと変わらず家族仲が良い様子をよく報告してくれます。
でもなにか、最近のそういった報告を見ると、そうやって実家で暮らして家族と仲良く暮らす生活に、いつか終わりが来ることを意識してるような気がします。なにも根拠があるわけではないですけど、そんな感じがします。すぐ先ではないにしても、きっといつかその家を出ていく時が来る、だからこそ今の暮らしを大切に慈しんでいきたいと、そう思ってるのではないかと。
最近の裕翔くんは、共演した役者の方との交流も活発なようですし、「外」に向かっていく意欲が旺盛です。仕事の幅も広がったし、ハタチになって当然酒の席に出るという機会も増えたでしょう。きっとこれから裕翔くんにはたくさんの出会いがあるはずです。自分の意志で選ぶこともあれば、否応なく巻き込まれることもあるでしょう。
たくさんの出会いがあって刺激を受けて変わっていく、強烈にその予感がします。そしてそれは本人も感じているのではないかと思います。
「変わらなきゃ」と焦る感じは最近全然しません。むしろ変わっていく自分を楽しんでいるような感じです。変わっていくことがわかってるからこそ、変わらない部分を大切にしたいと思っているのではないでしょうか。
まるで最後の春休みのようです。学生生活最後の春休みのように、新しい世界を楽しみにしながら、終わりを迎えつつある今の世界を惜しむように慈しんでいる、そういう季節なのかなと思います。
すべて根拠なき妄想ですが勝手にそんなことを考えています。そう考えると、お父様の取ってきたトカゲを飼うという無邪気な行動がせつなく感じられます。この季節が終わっていくことを考えるとせつないです。せつないからこそ、いっそう美しくきらめきます。