きみのためなら

東京が真夏日を記録した21日、グローブ座に「君と見る千の夢」を観に行きました。
行きにタクシーの運転手さんに「そんな足で来るなんてよっぽどいい出し物なんだねえ」と言われてしまいました。「これから見んだからいい出し物かどうかなんてわからねえよ!でもチケットが手元にやってきた以上わたしはどうしてもこれに来ないわけにはいかないんだよ!!」とは言わず「そうです」とだけ返しました。
結果的にはとてもいい出し物でした。はからずも「いい出し物」という表現がぴったりくるかんじ。
10年嵐を見てきて、あいばくんに演技仕事が舞い込むたびに大騒ぎして、そうやって見てきた過程というものがあるから、この舞台だけを切り取ってどうこうというのは言えない。そういうものを踏まえて見ることで、大きな感慨とそして少しの寂しさがあふれてくる、そういう舞台でした。


というわけで感想です。


正直に言おう。生で近くで見た率直な感想。
あいばくん、老けたなあwwwww
いやあ、すっげーそう思った。ど失礼な感想でソーリー。
やせてシュッとなってるんだけど、頬のこけ方に年齢を感じますよね。まあ年齢を考えれば年相応なんだけど。たぶんわたしの中で20代前半の美しさが脳内で大幅に加工修正されて実際以上に美しいものとして処理されているから、それと比べてしまうとね、どうしてもね。
でも当然あいばくんはあいばくんで当たり前だけどその場にいるだけで場が華やぐ圧倒的なアイドルでしたよ。
途中の店番したりふつうに暮らしてる場面とか、ふつうの格好にふつうのセリフが逆にアイドル性をぐぐっと引き立てていてぐっときました。しゃがんだりするとシルエットがかわいい。公園のリスの置物もすっげー似合う。またがってる絵がしっくりきすぎる。
終盤の、それまで言えなかった過去を吐露する場面で、涙と一緒に鼻水も出てたんだけど、その鼻水がライトに当たってきらりと光っていて、なんという美しい鼻水とぼやんと見入ってしまいました。
そしてこれも失礼な言い方だけど、
すっげー演技うまくなったな!!!
いや、ほんとに。見てるとき手を胸の前で握りしめて祈るような気持ちで「あいばちゃん、がんばって!!」って思わなくていい。ふつうに演技してて、そこに「あいばちゃん」じゃない春也くんがいた。これは革命的なことです。
もちろん、今回はオリジナルな脚本で年齢も性格もあいばくんが無理なく演じられるキャラクターに設定されてた、というのも大きいと思います。無理なく演じられて、でもあいばちゃんとは違う一面も持つ役柄。
でもそれだけじゃない。ああ、きっといろんな経験をして、それを吸収したんだろうなあ!!!と感慨深くなりました。舞台もやったし、ドラマも主演して、それだけじゃなく嵐としてもいろんな経験して、きついスケジュールと多大なプレッシャーの中でいろんな仕事をこなしたことで、めちゃめちゃ成長して、主演という看板もさらっと背負えるようになったんだろうだなあ!!心からそう思いました。
それはすごく嬉しいことであり、寂しいことでもあります。勝手な生き物ですね。


舞台もおもしろかったです。
通常客席になる部分に張り出した独自のセットで、現実の世界が前面に、後ろ側にあちらの世界(あちらとの狭間の世界か)があるのも「これぞ舞台!」というかんじだったし、席がちょうどこれが正面から見える良いお席でその仕掛けを堪能できました。
それでいて基本的には大仕掛けじゃなくシンプルに見せて、田舎町のそれぞれの暮らしという物語を引き立てて演出はとても良かったです。


ただ、脚本がなあ…!
ひどいとは言わないし、彼女や友達とのふつうの掛け合い的な中盤の会話とかなかなか良かったんですけど、いかんせん大枠のストーリーが。
……で?
ってかんじ。いや、だってあれじゃ彼女かわいそすぎじゃん?で、あえてそうする意味もわからないし、単に話にオチをつけるだけにしか思えない。だいたい、意識不明なのも下駄屋もピアノも、彼女が介護職なのもその生い立ちも、彼らの悩みも記号にしか感じない。話を作るための道具。そういう設定なのは全然悪くないけど、ぜんぶ表面的で踏み込みが浅い。
と思ってパンフの脚本家インタビュー見たら、やっぱりそうやって記号として使ってるんだなとわかりますね。別にどうやって話を作っていったって構わないけど、そうやって種明かしされると興ざめだし、そういうのを見てるほうにわかる作りにはしてほしくなかったな。


文句はさておき、今回出色なのはなんといってもグッズでしょう。なにあのメモ帳!超かわいいんだけど!!無駄にかわいいwwww
あんな全ページにお写真入ってるメモ帳なんて初めて見た。めくってもめくってもばっちりアイドルスマイルを浮かべるあいばまさき。なんというばかばかしさ!すてきすぎる!パラパラめくると超元気出てくる!!表紙の名前を囲むキラキラもばかばかしくて素晴らしいです。この無駄におめでたいかんじは正にあいばまさき!
舞台のグッズでこんな素晴らしい出来のやつって珍しいんじゃなかろうか。
最初、メモ帳ってなんで?と思ったけど、よく考えると舞台の内容とリンクしてるんですね。いや、そういうメモ帳じゃないだろうけど。あれで書かれたら大幅に意味違ってくるけど。でも意外とそういうグッズって少ないからその意味でも貴重ですね。


とにかくこんな足で行って良かったです。
さあ、次に生であいばくんに会えるのはいつかな?なんて足の痛みが増すようなことは考えないよ!